ビリアとは?メキシコ料理の味・辛さ、ビリアタコスやケサビリアとの違いを解説
SNSなどで、赤く焼けたタコスを濃い色のスープにつけて食べる動画を見たことはありませんか。
「赤いタコス自体がビリア?」
「横にあるスープは何?」
「かなり辛そうだけど、実際はどう?」
見た目だけでは、どこまでを「ビリア」と呼ぶのか分かりにくい料理です。
ビリアとは、唐辛子やスパイスで味を付けた肉を時間をかけてやわらかく調理する、メキシコ・ハリスコ州を代表する肉料理です。
赤いタコスそのものを指す名前ではありません。
・ビリア=肉料理
・ビリアタコス=ビリアの肉を使ったタコス
・ケサビリア=ビリアとチーズをトルティーヤに合わせて焼いた料理
・コンソメ=ビリアを調理したときにできる肉やスパイスの旨みを含んだ煮汁
この4つは似た場面で登場しますが、それぞれ意味が違います。
ビリアは唐辛子を使うため赤く見えることが多いものの、赤い色だけで激辛とは判断できません。使う唐辛子や、後から加えるサルサによって辛さは変わります。
この記事では、ビリアの味や辛さ、赤いスープの正体、ビリアタコス・ケサビリア・バルバコアとの違い、実際に注文するときの選び方まで紹介します。
タコスそのものの種類やトルティーヤとの違いを知りたい方は、タコスとトルティーヤの違い・代表的な具材を解説した記事で詳しく紹介しています。
ビリアとは?ハリスコ州を代表する肉料理
ビリアはもともとタコスの名前ではない
近年はビリアタコスやケサビリアの写真を見かけることが増え、「ビリア=赤くてカリカリしたタコス」という印象を持つ人もいます。
もともとのビリアは肉料理です。
肉に唐辛子やスパイスなどで味を付け、時間をかけてやわらかく火を入れます。
完成した肉を煮汁と一緒に器へ盛る食べ方もあれば、肉をトルティーヤにのせてタコスとして食べる方法もあります。
ビリアという料理の肉をタコスに使ったものが、ビリアタコスです。
煮汁と食べるビリアだけでなく「タテマーダ」もある
ビリアは「メキシコの煮込み料理」と紹介されることがあります。
実際、ハリスコでは肉を赤い煮汁と一緒に食べるスタイルがあります。
ただし、ビリアはスープ状の料理だけではありません。
ハリスコでは、肉を香ばしく仕上げる「ビリア・タテマーダ」も食べられています。
タテマーダは肉に付けたアドボの風味と、表面の香ばしさを味わうタイプです。
同じビリアでも、煮汁と食べるものと、肉の焼き上がりを前に出すものがあります。
伝統的にはヤギ肉、現在は牛肉のビリアもある
ハリスコを代表する伝統的なビリアとして知られているのが、ヤギ肉を使った「ビリア・デ・チボ」です。
現在は牛肉を使った「ビリア・デ・レス」も食べられています。
地域によっては羊など別の肉を使うビリアもあります。
メニューでスペイン語表記を見かけた場合、
chivo=ヤギ
res=牛
です。
使う肉が変わっても、唐辛子やスパイスで味を付け、時間をかけてやわらかく仕上げるところにビリアらしさがあります。
ビリアはどんな味?赤くても激辛とは限らない
やわらかい肉に唐辛子とスパイスの香りが重なる
ビリアは、辛さだけを楽しむ料理ではありません。
レシピによって違いはありますが、
・乾燥唐辛子
・にんにく
・玉ねぎ
・酢
・オレガノ
・クミン
・ローリエ
などが使われます。
時間をかけて火を入れた肉は、フォークや箸でもほぐせるほどやわらかくなります。
そこへ乾燥唐辛子の香りやスパイス、肉の脂と旨みが重なります。
辛さが先に来るというより、やわらかい肉にチリとスパイスの濃い風味が入った料理という方が近い味わいです。
赤い色は唐辛子によるもの。辛さは別に考える
ビリアの肉や煮汁が赤く見えるのは、乾燥唐辛子の色が大きく影響しています。
ただし、唐辛子は種類によって辛さがかなり違います。
ビリアに使われることのあるグアヒージョは、強烈な辛さを付けるというより、赤い色や香り、風味を加える役割も持っています。
一方、辛味の強いチレ・デ・アルボルなどを使ったサルサを別に添える作り方もあります。
そのため、ビリアの赤さと辛さの強さは同じではありません。
辛いものが苦手なら、ビリアそのものよりも、サルサが別添えか、料理自体に辛味の強い唐辛子を使っているかを見る必要があります。
ビリアの横にある赤いスープ「コンソメ」とは?
コンソメはビリアの肉を調理した煮汁
ビリアタコスの横に、小さなカップへ入った赤褐色の液体が添えられていることがあります。
辛いサルサのようにも見えますが、多くの場合はビリアのコンソメです。
肉を時間をかけて調理した煮汁に、唐辛子やスパイス、肉の脂や旨みが入っています。
日本で「コンソメ」と聞くと、透明な洋風スープを思い浮かべる人も多いかもしれません。
ビリアのコンソメは赤褐色で、肉の旨みやスパイスがしっかり出たものもあります。
タコスをつけても、そのまま飲んでもいい
現在よく見るビリアタコスでは、タコスをコンソメへ浸して食べる方法が知られています。
ただ、コンソメはタコス専用のディップソースではありません。
ビリアは、肉を煮汁と一緒に器で食べる形でも提供されます。
タコスと一緒に出てきたコンソメも、
・タコスをつける
・スプーンですくう
・そのままスープとして飲む
という食べ方ができます。
ディップ用のソースというより、ビリアの肉を調理した旨みの濃い煮汁です。
軽くつけるか、深く浸すかで食感が変わる
表面を焼いたタコスをコンソメへ軽くつければ、トルティーヤのカリッとした部分を残しながら煮汁の味を加えられます。
深く浸せばコンソメをたっぷり吸い、肉やチーズと煮汁の味が一体になります。
ただし、長く浸すほどトルティーヤは柔らかくなります。
カリッとした食感を残したいなら軽く、煮汁をしっかり含ませたいなら深めに浸すと、同じタコスでも食べ心地が変わります。
赤いトルティーヤは、ビリアの脂や煮汁をまとわせて焼くことがある
ビリアタコスの写真では、トルティーヤ自体が赤やオレンジ色に見えることがあります。
ティファナから広がったスタイルには、ビリアを調理したときに出る赤橙色の脂や煮汁をトルティーヤへ付け、鉄板で焼くものがあります。
唐辛子の色を含んだ脂が表面につき、焼くことで鮮やかな色と香ばしさが生まれます。
最初から赤いトルティーヤを使っているとは限りません。
ビリアタコスとケサビリアは何が違う?
ビリアタコスはビリアの肉をトルティーヤで食べる
ビリアタコスは、やわらかく調理したビリアの肉をトルティーヤにのせたタコスです。
玉ねぎ、パクチー、ライム、サルサなどを合わせることもあります。
鉄板で短時間焼いた肉を使うタコスと比べると、ビリアの肉は時間をかけて調理されているため、繊維がほどけるような柔らかさがあります。
肉の焼き目よりも、やわらかくほぐれた肉とスパイスの風味が主役になります。
ケサビリアはビリアとチーズをトルティーヤで焼く
ケサビリアでは、ビリアの肉にチーズを合わせ、トルティーヤを鉄板などで焼きます。
ビリア
・肉料理そのもの
ビリアタコス
・ビリアの肉を使ったタコス
ケサビリア
・ビリアの肉とチーズをトルティーヤに合わせて焼いた料理
表面がカリッと焼け、中からチーズが伸び、コンソメにつけて食べるタイプは、ケサビリア系であることが多くあります。
現在よく見るケサビリアはティファナで発展したスタイル
ビリアそのものは、ハリスコ州に根付いた伝統料理です。
その後、ティファナでは牛肉を使うビリア・デ・レスやビリアタコスが発展しました。
2000年代にはビリアの肉と溶けたチーズを合わせるケサビリアも食べられるようになり、そのスタイルがロサンゼルスなどへ広がっていきました。
現在SNSでよく見る、
・赤く焼けたトルティーヤ
・やわらかい牛肉
・溶けたチーズ
・コンソメへのディップ
という組み合わせは、伝統的なハリスコのビリアから派生して広がった食べ方です。
ビリアとバルバコアは調理法と味付けが違う
ビリアとバルバコアは、どちらも時間をかけて肉をやわらかく調理し、タコスの具としても使われます。
ヤギ、牛、羊など、使われる肉が重なることもあるため、肉の種類だけでは区別できません。
バルバコアは地中炉で蒸し焼きにする伝統がある
メキシコの伝統的なバルバコアでは、肉をマゲイなどの葉で包み、地中の炉で長時間蒸し焼きにする方法があります。
現在は地域や店によってオーブンなど別の調理器具も使われますが、時間をかけて肉を蒸し焼きにする技法がバルバコアの大きな特徴です。
ビリアは唐辛子やスパイスを使った味付けが主役になる
ビリアでは、乾燥唐辛子やスパイスを使ったアドボなどで肉にしっかり風味を付けます。
煮汁と一緒に食べるビリアでは、肉だけでなく、唐辛子やスパイス、肉の旨みが入った煮汁まで料理の一部です。
バルバコアは肉をどう火入れするか、ビリアはそこに唐辛子やスパイスを使った味付けが加わるという違いを見ると、両者を区別しやすくなります。
ただし、どちらも地域差が大きく、現在の店では伝統的な作り方をそのまま使わない場合もあります。
普通のタコス・ビリアタコス・ケサビリアは何を基準に選ぶ?
やわらかく煮込んだ肉を食べたいならビリアタコス
ビリアタコスは、
・ホロホロにほぐれる肉が好き
・スパイスの効いた濃い肉料理を食べたい
・煮込んだ肉の旨みをタコスでも味わいたい
・コンソメにつける食べ方を試したい
という人に合います。
肉の焼き目や噛み応えより、時間をかけてやわらかくした肉が中心です。
チーズと焼いたトルティーヤも欲しいならケサビリア
ケサビリアは、
・ビリアの肉にチーズも合わせたい
・外側がカリッとしたトルティーヤが好き
・やわらかい肉と溶けたチーズを一緒に食べたい
・コンソメを含ませた濃い味が好き
というときに向いています。
同じビリアの肉でも、チーズと焼き目が加わるぶん、ビリアタコスより濃厚な食べ方になります。
焼いた肉の香ばしさを重視するなら別のタコス
ビリアは、時間をかけて肉をやわらかく調理する料理です。
「ホロホロした肉より、焼いた肉をしっかり噛みたい」
「煮込みの風味より、鉄板やグリルの香ばしさが欲しい」
という場合は、カルネ・アサーダなど焼いた肉を使うタコスのほうが合います。
煮込んだ肉の柔らかさならビリア、チーズと焼き目まで欲しいならケサビリア、焼いた肉そのものを噛みたいならグリル系のタコスという違いがあります。
大阪・道頓堀のTebatacoではチキンとポークのビリアを提供
道頓堀 屋台村 祭の「Tebataco」では、現在2種類のビリアを提供しています。
ビリア・チキン 1,000円(税込)
ビリア・ポーク 1,300円(税込)
肉をじっくり煮込み、その旨みを含んだ煮汁へトルティーヤをさっとくぐらせてから鉄板で焼いています。
中にはシュレッドチーズを合わせています。
一般的な柔らかいタコスとは違い、
・煮汁をまとわせたトルティーヤ
・鉄板で焼いたクリスピーな外側
・やわらかく煮込んだ肉
・溶けたチーズ
を一緒に食べるメニューです。
チーズを使い、煮汁をまとわせたトルティーヤを焼くため、現在よく知られているケサビリアにも通じる食べ方ですが、Tebatacoでの正式な商品名は「ビリア・チキンorポーク」です。
Tebatacoのビリア・チキンとビリア・ポークの現在の価格・メニューを見る
チキンとポークは好みの肉と価格で選べる
Tebataco公式ページでは、チキンとポークでスパイス配合や味付けを変えているかどうかまでは案内されていません。
確認できる価格は、
・チキン 1,000円
・ポーク 1,300円
です。
どちらも、肉をじっくり煮込み、煮汁へトルティーヤをくぐらせて鉄板で焼き、シュレッドチーズを合わせる部分は共通しています。
そのため、公式情報の範囲では、普段食べたい肉と300円の価格差を見て選ぶ形になります。
柔らかいタコスと食べ比べるとトルティーヤの違いも分かる
Tebatacoにはビリア以外に、自家製スモークチキン・タコスやプルドポーク・タコスなどもあります。
ビリアは煮汁をまとわせたトルティーヤを鉄板で焼くのに対し、プルドポーク・タコスなどには柔らかなフラワートルティーヤを使う商品があります。
同じ肉系のタコスでも、
・柔らかなトルティーヤで具材を包む
・煮汁をまとわせたトルティーヤを香ばしく焼く
という違いがあります。
道頓堀 屋台村 祭の現在のフードメニュー一覧では、Tebatacoのほかのタコスや、別の屋台料理も確認できます。
まとめ|ビリアは赤いタコスの名前ではなく、ハリスコの肉料理
ビリアは、唐辛子やスパイスで味を付けた肉を時間をかけてやわらかく仕上げる、メキシコ・ハリスコ州を代表する料理です。
・ビリアは肉料理そのもの
・ビリアタコスはビリアの肉を使ったタコス
・ケサビリアはビリアとチーズをトルティーヤで焼いた料理
・コンソメはビリアを調理した肉やスパイスの旨みを含む煮汁
・赤い色でも必ず激辛ではない
・伝統的にはヤギ肉が知られるが、現在は牛肉などのビリアもある
・バルバコアとは肉の種類より、調理法と味付けに違いがある
SNSでよく見る赤く焼いたタコスをコンソメへつける食べ方は、ビリアから発展したスタイルの一つです。
やわらかく煮込んだ肉ならビリアタコス、そこへチーズと香ばしい焼き目も欲しいならケサビリア系、焼いた肉そのものの噛み応えを重視するならグリル系のタコスという基準で選べます。
道頓堀 屋台村 祭のTebatacoでは、現在チキンとポークのビリアを提供しています。
道頓堀 屋台村 祭は毎日12:00〜23:30営業。大阪メトロ御堂筋線「なんば駅」14番出口から徒歩約5分です。
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